「チート(cheat)」とは「ずる」「インチキ」を意味する英単語で、ゲームファンの間ではゲームデータを改竄して思い通りの仕様に変更する行為を指す。
ここから転じて「インチキをしているとしか思えない」「強すぎてバランスを崩すので、使うこと自体が反則」というニュアンスで、ゲームに限らず「反則的に優れている」ことを表すネットスラングとなった。
漢字の「升」を分解すると「チート」になることから、「升」と表現される事もある。
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ニコニコ大百科の項目「チート」も参照のこと
ピクシブ百科事典の項目「チート」も参照のこと
概要[]
「水戸黄門」や「暴れん坊将軍」などの定番時代劇を初めとして、いわゆる「強い主人公」「完全無欠の主人公」はどんな時代でも普遍的に見られる。その中には、設定上は強いというだけで実際は苦戦ばかりの主人公から、どんな敵も完全に圧倒しストーリー上の苦境すらない主人公まであり、どこまでを「チートもの」とするかは主観によって分かれるが、この項目では便宜上、そういった広範な作品全般をチートと呼称する。
チートを行う主体を表す場合は「チートキャラ」「チート能力」「チートアイテム」など、名詞の前に付ける形で、チート行為の種類を表す場合は「内政チート」「人望チート」「技術チート」など名詞の後につける形で使用される。
更にそこから転じて、チートキャラを主役に据えた物語を「チート物」という。類義語は「俺TUEEE」「メアリー・スー」など。
「チート物」は主役や味方がチートの場合を指し、敵だった場合にはあまり言われる事はない。むしろ敵やラスボスがチートであるのは王道といえる。
性質面で分類すると、万能のチートと特化型のチートがある。
やる夫スレにおいて[]
ずば抜けた能力を持つキャラクターが活躍する「チート物」のお話が一大ジャンルの一つとして定着している。
チート物の面白さ[]
「ぶれない王道の面白さ」が挙げられる。最後は絶対に主人公がなんとかしてくれるという安心感で物語を支え、主人公の活躍に読者を引き込むのである。また、徹底的に悪く演出した悪玉が、圧倒的な正義によって討伐される様は非常にカタルシスが強いため、読後感もよい。
いわゆる「お約束」を非常に盛り込みやすいジャンルであり、ギャグパターンも作りやすい。一種の様式美に溢れたジャンルであるとも言える。
チート物の難点[]
最大の難点は「緊張感を欠く」ことであろう。主人公がチートキャラである場合、いかなる障害・ピンチシーンを用意しても、読者は「どうせ主人公がチートパワーで解決するんだろ」という先入観を抱きがちになる。また、設定によってはそもそもピンチシーンを用意しにくい(世界最強の戦闘力を持つ主人公なら、戦闘で追い詰められるシーンは書けない)ため、ストーリーが単調になりがちである。
また過剰な持ち上げは反感を買う。高い能力でも倫理を欠くと、やってる事は悪役同様の単なる弱いものいじめになる。作中でのマンセーと、距離を置いた読者からの反感が乖離するようなことにもなる。
どうすれば面白いチート物になるのか[]
チート物の作者には、これらの利点・欠点を踏まえた演出論が要求される。例えば「チート能力を特定ジャンルに限定する(力は強いが知性方面で攻められるとピンチ)」「チート能力に制限を作る(制限時間が切れると一気に脆くなる)」「外部に弱点を作る(主人公は最強だがヒロインはか弱く狙われるとピンチ)」というように、主人公側の懸念要素を用意しておくと、活躍一辺倒ではない物語を書きやすくなる。他にも「敵サイドに主人公サイドと同レベル以上の能力を持つ、あるいは主人公サイドの能力が通用しないキャラを用意する」方法もある。ライバルやボスクラスの敵をこうすると、平時の一騎当千ぶりとのメリハリがつくが、余りに多用しすぎるとチート物である意味がなくなるので注意が必要である。
ギミックやガジェット以外ではストーリーラインの勝負となる。「悪を徹底的に醜悪に描く」ことで、後で解決されると分かっていても読者のストレスを溜めさせ、後のカタルシスを大きくするというやり方もある。ただし、行き過ぎた下種いシナリオや演出は作者自体への評価を変えさせかねないので留意したい。もしくは完全に開き直って「予定調和な勝利を断固として貫き、シリアスな笑いへ昇華させる」考え方もあるが、こちらもただ開き直るだけでは読者から「陳腐なだけの物語」として認識されてしまうので、うまくバランスを取る必要がある。
いずれの方法を取るにせよ、作者個人の人間性や、スレの方針に沿った、最も適当な方法をとることが重要である。
チーレム[]
「チート」と「ハーレム」の合成語のことである。チート物はハーレム物と併用される場合が多い。チート能力を持たせるならまず女にモテるようにしたい、と言うのは男のサガであろうか。