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ハーレムとは、やる夫スレにおけるジャンルの一つ。

ウィキペディアの項目「ハーレム」も参照のこと

概要

一夫多妻制の事。語源は君主の後宮の事である。野生生物から、世界史に至るまで、具体例は枚挙にいとまがない。相手達に認められているので、禁忌の愛ではない(都合がよいとも言うが)。

広義では、未婚でも複数の女性が好意を寄せてさえいればハーレムと呼ばれ、ライト系の創作ジャンルにおいては(やる夫スレに限らず)主にこの広義の意味が使われる。本項でも、この広義の意味でのハーレムを解説する。

当然だが、主人公はやる夫やらない夫となることが多い(やる夫がバツグンに目立って、やらない夫はあまり目立たない)。もっともその限りというわけでもない。

ハーレム物作品の魅力

書き手側にとっては、ハーレムものには「魅力的なヒロイン(=筆者の好きなキャラ)を沢山出す事が出来る」という魅力がある。魅力的なキャラはそのまま話の魅力に繋がり、ストーリー内容自体にも萌え描写や、あるいはボーイ・ミーツ・ガール的な要素を多く取り入れる事が出来る。愛らしい女性が活躍するハーレム物は読者側からも常に一定の需要がある。

読み手にしてみれば、複数ヒロインではなく単独ヒロインの掛け算とみなせば、気に入ったキャラだけチョイスして読むこともできる。

ハーレム物のリスク

勿論良点だけでなく、ハーレム物にはデメリットも存在する。

元々登場人物が多い群像劇を除けば[1]、創作においては「主要キャラを増やしすぎると一人一人の描写が減る→全体の完成度が下がる」と言われている。にも関わらず、ハーレムはキャラを複数出す事を前提としたジャンルであり、なおかつヒロインを1人増やせばその関連人物も考える必要があるため、単に脇役を1人増やすよりも負担が大きくなる。必然的に一人一人に費やせる投稿は通常のスレに比べて減少してしまうのである。増えすぎたヒロインを持て余したり、空気化する事もめずらしくない。また、恋愛の魅力は過程にこそあるのだが、落としてしまったらそれ以上の発展が難しい。

また、好意を向けられる側には「好意を向けられて当然」と言う魅力が[2]、好意を向ける側には魅力的なヒロイン像が求められ、この要求を守れないと作品自体の魅力が大きく減ずる。また、「ハーレム物なのに、一番人気は男性脇役・敵役キャラ」と言う、本末転倒な評価を受ける事もある。

このように、ハーレム物は「魅力的な人物描写をしなければならないのに、各人物に割ける描写量は少ない」と言う大きな構造的問題を抱えている。これを解決するためには、少ない描写でもキャラクターの十分な魅力を引き出してみせるか、各々の描写を増やすために大長編化(複数の「個別ルート」を用意するなど)する必要があり、作者には高い技量が求められる[3]

まとめ

安直な動機かつ未熟な腕前で作られた粗製ハーレム物は多く、ハーレム系作品自体を「粗製乱造のお話」と見なして忌避感を抱く読者は少なくない。だが、高い技量を持ち上記の欠点を克服出来る作者が取り扱えば、他のジャンルには無い華やかな魅力が輝くことになる。そのことは、実際に「名作」と讃えられるようなハーレム物が存在する事実が証明している。

また、「ハーレム物」として内容が定型化されているだけに、これをひねって利用される事もある。例えば「なんであいつがモテるのか分からない」と言う説得力のないハーレム物は本来駄作であるが、これを逆に利用して「モテるように見えないやつがモテるなんて滑稽だ」と言うギャグ、「××がモテるのに、それより魅力的な○○はどうしてモテないのか」と言う鬱要素などに転化する事で、利点に変化させる事が出来る。

R-18におけるハーレム物

ここまで触れて来たのは「ストーリーを重視するスレでのハーレム物」についてである。これがR-18の、エロを主目的としたスレだと、また事情が異なってくる。

エロを主目的としている場合、「見た目の良い女」が1人いて、濡れ場シーンを描く技量さえあれば、極論それ以外の一切ストーリーが無くても読者の需要を満たす事が可能である。例えば、通常のストーリースレにおいて初対面の相手と唐突に純愛が始まるのは不自然極まりない。しかしR-18スレであれば、無理やり行為に走った相手が初対面だったとしても、エロ方面の需要は十分に満たせる。

よって、通常のハーレム物において多大なリスクとなる「各ヒロインに割ける描写量が少ない」と言う問題点を回避しやすく、「魅力的なヒロインとの交流が多い」と言うメリットのみを享受しやすい。むしろ「ヒロイン1人より多彩なエロシーンを描く事が出来る」と言うメリットは通常のスレより大きいといえる。よって、エロ目的のR-18スレとハーレム物は非常に親和性が高く、実際R-18ハーレム物のスレは非常に多く存在する。

誤解ないよう注記すると、「ストーリーも重視したR-18スレ」である場合の事情は当然ながら通常のスレと変わらない。

脚注

  1. そもそも「広く浅く」のキャラ描写で成り立つ群像劇と、深く書いてこそ魅力が発揮される恋愛描写、ましてやそれを複数描くハーレム物は相性が悪い。
  2. ギャルゲーやエロゲでは、主人公=プレイヤーであるため、「主人公のハーレム=自分のハーレム」である。しかしやる夫スレにおいては主人公≠読者なので、「主人公のハーレム=他人のハーレム」となる。その為、「このキャラならモテても仕方ない」「他人のハーレムだけど見ていて楽しい」と言わせるだけの説得力が必要となる。
  3. 特に「恋愛を主要素としない作品(魔王を退治しにいく勇者がモテる、など)」を長編化する場合、恋愛描写とそれ以外の描写のバランスを上手く取る必要が出てくる。失敗すると「恋愛してないでさっさと目的を果たせ」とか「ハーレム物なのに恋愛要素無しってどうよ」とか言われる事になる。

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