やる夫 Wiki
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それは……
やる夫が生まれて初めて 自分の力だけで掴んだ栄光の瞬間であった

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   そして同時に やる夫の短い生涯の中での絶頂の時でもあった……
新・やる夫の関が原戦線異常アリ
略称 関が原
作者 ◆fFI82Sjg3c
ジャンル 歴史
投下日 2009年4月25日
投下板 やる夫板II
状態 完結
最終投下日 2012年9月23日
話数 129話+番外編
主な登場人物 やる夫やらない夫長門有希阿部高和渡良瀬準伊藤誠桂言葉伊藤開司真紅
まとめ それにつけても金のほしさよ
  

新・やる夫の関が原戦線異常アリは、小早川秀秋の生涯と、戦国時代の終盤から文禄・慶長の役(朝鮮出兵)、そして関ヶ原の合戦に到るまでの軌跡を描く歴史系長編やる夫スレ

作者は◆fFI82Sjg3c。2009年4月25日から2012年9月23日にかけて連載された。

概要[]

豊臣秀吉(伊藤誠)や徳川家康(伊藤開司)が天下を手中に収めるまでの中で、やる夫演じる小早川秀秋と、やらない夫演じる公家・近衛信尹が、それぞれの立場でどのように生きたのかを描く壮大な長編作品である。特に、関ヶ原の合戦での行動から「日本一の裏切り者」として現在に到るまで名高いながらも、その生涯については有名とは決して言いがたい小早川秀秋が、いかにしてその短い生涯を生きたのかを作者自身の解釈も交えながら描いている。タイトルから受ける印象とは異なり、非常に濃厚な作品。

ちなみに、題名に「新」が付いているのは、過去に作者が「やる夫の関が原戦線異常アリ」という名の短編集を書いていたからである。前作同様、史料よりも自分の妄想を優先していると断言しており、独自の史観による歴史小説とも言える。また徳川家康を、一貫して野心を持たず、あくまで周囲に担がれた人物として描いており、やる夫歴史物屈指のきれいな家康が見られる。

なお、作中の行進に使われる擬音「ざっつぁつぁっつぁ~(ry」は懐中コオロギ製作の無関係シリーズからの引用である。

主人公交代[]

元々歴史系やる夫スレにおいては、主人公がどれほど偉大な人物だったとしても、主人公以外にも数多くの人物の動向を描くことが必要となってくる[1]。そのため、主人公であるやる夫の影が相対的に薄くなることが「歴史系ではよくあること」と言われるのである。

だが本作品では、ある意味それ以上の事態が発生した。全五部構成の第三部開始直前、作者から「主人公をやる夫から交代させる」という宣言が出されたのである。また第四部では、確たる主役を置かず全国の武将たちにスポットを当てていく群像劇の手法を採用。やる夫は数多くの主役の内の一人、という位置づけにとどまった。

こうなった理由は上記の要素に加え、「小早川秀秋は歴史の主役足りうる存在ではなく、あくまで数ある武将の中のワンオブゼムでしかない」という事情から、どうしても徳川家康を中心に置かなければ話を進めることが出来なかったからである。また、作者が事前のプロットをほとんど作成せず、数多くの要素を事前構想から追加したこともやる夫の影が薄くなることに拍車をかけた。

結果として本作は小早川秀秋・徳川家康の間で主役の座が揺れ動く不安定な作品となっており、鑑賞の際はある程度念頭においておく必要がある。

あらすじ[]

慶長5(1600)年9月15日、午前。関ヶ原で、今まさに天下分け目の戦いが繰り広げられているその時、松尾山で一人の青年が固まっていた。

その名は小早川秀秋……かつての名を豊臣秀俊。かの太閤・豊臣秀吉の後継者候補にして、戦国時代有数の智将・小早川隆景の跡を継いだ者。そして後世「日本一の裏切り者」と称される男である。

彼に関して、知られていることはあまりにも少ない。秀吉に愛され、そして振り回され地獄を見た少年時代。天下分け目の戦いの中で重ねた彷徨。そしてあまりに早く報われない最期……これは、「日本一の裏切り者」という一般認識の中に覆い隠された一人の男の20年の人生を、語り尽くした物語である。

主な登場人物[]

小早川秀秋(やる夫
筑前を領有する若武者。後世「日本一の裏切り者」と称される。太閤秀吉の養子であり、関白の座を継ぐ資格を有する。
近衛信尹(やらない夫
公家の名門・近衛家の出でありながら、秀吉に関白の座を取られ、世を恨むようになる。やる夫の友人。
徳川家康(伊藤開司
常に様々な難問が振りかかるも、投げ出すことも出来ず貧乏くじを引き続ける苦労人。五大老の一人で、名実ともに豊臣政権の支柱。
豊臣秀吉(伊藤誠
貧しい農民から天下人にまで上り詰めるという、戦国随一の出世頭。関白となった後、秀次に関白職を譲って太閤を名乗る。戦国乱世を終わらせた後、朝鮮や大陸に眼を向ける。
豊臣秀次(やるオプーナ
秀吉の甥。良くも悪くも人の良い性格で、そのために秀吉との間に溝を作ることになる。その最後は、あまりに悲惨なものであった。
ねね(桂言葉
秀吉の正室。貴人の正室への尊称である北政所(きたのまんどころ)とも呼ばれる。夫婦仲は良好だが、秀吉との子供ができないのが悩み。秀吉死後は、高台院と称されるようになる。
淀の方(西園寺世界
秀吉の側室。俗にいう浅井三姉妹の長女で、数奇な運命を生きてきた。秀吉の嫡子、お拾(豊臣秀頼)を生む。あまり物事に動じない、あっけらかんとした性格の持ち主。
石田三成(真紅
五奉行の一人。豊臣による中央集権を目指しており、家康と政治的に対立する。良くも悪くも職務に忠実で物事をはっきりと述べるため、他人からの評価が両極端に分かれる。
浅野長政(水銀燈
五奉行の一人で、秀吉の義弟。秀吉を支え続けるが、関白になった後の秀吉の政策には同意できないものを感じ、彼との溝が広がる。家康とは気の合う友人である。
増田長盛(翠星石
五奉行の一人。政策的には三成と同調するが、家康とも親しくするなど、どっち付かずの対応をする。長宗我部と仲が良い。
長束正家(蒼星石
五奉行の一人。輜重に関して絶大な才能を持つ。その思考は政治家というより財務系の官僚であり、そのために融通が利かず、後に家康との関係が悪化する。
前田玄以(金糸雀
五奉行の一人。朝廷との橋渡し役として活躍する。人の良さが祟ってか、問題を起こした武将の預かり先としてよく利用される。
前田利家(磯野波平
五大老の一人。秀吉とは古くからの友人。人格者で諸大名からの信望は厚い。ちなみに玄以との血縁は無い。
前田利長(フグ田マスオ
利家の子で、利家死後は五大老の一人。飄々としていながらも強かな人物。父ほどの影響力はないが、それでも秀吉死後の一定期間、政権のバランサーとなる。
毛利輝元(柊つかさ
五大老の一人。よく言えばおおらか、悪く言えば危機意識にかける大名。祖父の毛利元就が匙を投げるほど、神経が図太い。
宇喜多秀家(ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール
五大老の一人。秀吉の養子。文禄の役では総大将を務める。お家騒動を家康の介入により不本意な形で解決されてしまい、家康に反感を持つ。
近衛前久(麻呂
信尹の父。よく問題を起こす息子に辟易している。朝廷のために働き、若い頃は自ら各地の大名と連携を図るために日本中を駆けまわった。
山口宗永(長門有希
秀吉の命令によって、やる夫に政治や軍事のイロハを教える。後に独立した大名となる。
黒田如水(範馬勇次郎
秀吉の覇業に多大な貢献をした軍師。やる夫の後見人的存在でもある。秀吉没後の混乱する情勢を楽しみつつ何事か企んでいる模様。
加藤清正(夜神月
秀吉のもとで戦い続ける猛将。文禄・慶長の役では、朝鮮や明から鬼上官として恐れられる。
福島正則(L
清正とともに秀吉のもとで戦い続ける猛将。清正よりも現実的な政治力を持っており、清正より先に大名に出世する。
不破万作(ちゅるオプーナ
やる夫の親友。豊臣秀次の死に準じて自害する。その死は、やる夫の精神に影響を与える。
宗義智(コオロギ
対馬を領有する大名。その経済は殆どが朝鮮との貿易によって成り立っているため、朝鮮出兵の際には様々な問題が振りかかるようになる。
伊達政宗(でっていう
まさに「ウザい」と呼ぶに相応しく、戦国乱世を掻き回す奥州の英雄。
李舜臣(キン肉スグル
読みはイ・スンシン。無理解な朝鮮王国の首脳に邪魔されながらも、祖国のために朝鮮水軍を率い、日本水軍を苦しめる。
上杉景勝(DIO
五大老の一員。豊臣秀吉亡き後、領土と天下を掴み取る野心を再び疼かせて急速に軍備の整備拡大を推し進め、家康による会津征伐を引き起こす。
直江兼続(花京院典明
上杉景勝の腹心で、石田三成との親交も深い。会津における景勝の戦争準備に対する家康の詰問に対して、いわゆる「直江状」を送りつける。

外部リンク[]

関連項目[]

  1. 一例として、本作のように戦国時代後期~江戸時代初期を舞台とした作品では、誰を主人公にしても織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の動向を無視して描くことはできない。
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